夢と好きノ咲くとき




白い空間にいる

目はあかないが光が入ってきて白だと分かる

少し経って眠っていたことに気がついた


(ということは夢の中?)


しばらくすると暖かくて、優しい温もりを感じた

誰かに、抱かれているようなそんな感覚

赤子を抱くような優しさで



目を開けると男女のシルエットが見えたが、それはやんわりとぼけている

そして男は女の上に覆いかぶさるように迫っていく

そして、女のおでこに、とても優しい口付けを落とした


女は恥ずかしがっていた

また男も恥ずかしがっていて、それはそれはむず痒くなってしまうほどに

そして、なぜだか涙が溢れた

悲しい思いをしているわけでも、辛い思いをしている訳でもないのに

するとだんだん視界が鮮明になっていき、誰かに呼ばれる声がした



「…美…ん…美羽、ちゃん、美羽ちゃん起きて」

「んっ…真子、ちゃん?」

「大丈夫?どこか痛い?」

「どうして?大丈夫だよ」

「そう?泣いていたみたいだから、大丈夫ならいいんだけど」


真子ちゃんのよく分からない言葉に、頬を触ってみれば濡れていた

(あれ?なんで泣いているんだろう?)

夢で、確か、

そう思ったがもう夢の内容はぼんやりとしか覚えていない

だけど、なぜだか胸につっかえるものができた


寝起きに泣いていた理由も、夢で見た、あの不思議な光景もなにがなんだかわからないまま・・・


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