というわけで、結婚してください!
「高速に乗ってみるか」
と少し走ったところで、尊が言い出した。
「九州まで行きたいんだろ?
もしかしたら、高速の入り口に追っ手が居るかもしれないが。
警察じゃないんだ。
すべての入り口に人を配置できるわけでもないし。
見つけられたところで、高速を封鎖できるわけじゃない。
ま、パトカー並みに追いかけては来そうだけどな」
「そうですね」
と鈴は言った。
万が一、誰か待ち構えていて、止められたら、全部私が頼んだんですと言って、終わりにしよう。
そう思っていたのだが、尊の読み通り、あっさり高速に乗れた。
「何処まで行くかな」
延々と続くまっすぐな道を見ながら、尊は少しご機嫌になる。