というわけで、結婚してください!
日が落ちる前、尊はなにも言わずに、高速に乗り、走り出した。
鈴もなにも言わなかった。
いや、言った。
「あ、めかり」
「寄るか」
「いや、いいです」
くらいのものだったが――。
今、
「このまま帰るんですか?」
なんて無粋なことは訊きたくない気がしていたし。
無理に話さなくとも、この沈黙が苦痛でなかった。
ただ、目の前に広がる真っ直ぐな高速道路が何処につながっているのか考えると、少し恐ろしくはあったのだが……。