というわけで、結婚してください!
「そういえば、尊。
 数志と窪田が離れに居るわよ」

「え? 窪田?」
と尊が訊き返していた。

 数志はともかく、なんで、窪田まで、と思ったようだった。

「あんたたちを待ってたんじゃない?

 遅いから、暇を持て余してたみたいよ。
 私も早く帰ってきてたんで、ポーカーでズタボロにしてやったわ。

 数志はしばらくタダ働き。
 窪田は今度、買い物にでも付き合わせるわ。

 あんたたちが早く帰ってこないからよ。
 せいぜい恨まれなさい」
と言って、じゃあね、と行ってしまう。

 本気でタダ働きさせそうだ……と思いながら、鈴は言う。

「……窪田さんたちに悪いことしてしまいましたね」

「あの女と賭け事する方が悪いだろ」

 どう見ても運気で負けてる、と尊は渋い顔をしていた。
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