というわけで、結婚してください!
 やはり、親父たちはまだ帰ってないようだな、と思いながら、屋敷の中を探し歩いてみたが、二人の姿はない。

 一体、何処に……と探しながら、離れに行ってみた。

 すると、此処は打って変わって、騒がしい。

 無言でドアを開けると、明るい奥のリビングから、ゲラゲラと数志の笑い声が聞こえてきた。

「あっ、そうだ。
 窪田さんっ。

 そろそろ、戻ってくる頃じゃないですかっ?

 見に行きましょうよ、尊様たちをっ」

「お前、見に行くとか行ったら、見世物みたいで、失礼だろうが。

 仮にも、お前の主人だぞ」
と言いながら、窪田も笑っている。

 ……こいつら、勝手なこと言って。

 っていうか、呑んでるだろ、お前ら、と思いながら、リビングのドアを開けると、案の定、宴会が始まっていた。
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