というわけで、結婚してください!
 
 

 その後、抵抗はしてみたものの、鈴は、まんまと手首を縛られ、吊るされていた。

 いや、足は一応、ついてはいるのだが。

「痛いです」
と荒縄が手首に食い込むので、文句を言うと、

「可哀想にな、鈴」
と征は言ってくる。

 いや、貴方が縛ったんですが……と思っていると、
「お前が抵抗するからだ。
 おとなしく俺のものになれば、こんな目にあわずに済んだのに」
と言い出す。

「可哀想にな」
とまた言いながら、征が一歩、近づいてきた。

「大丈夫か? 鈴。
 尊に触られたりしてないか?」
と言いながら、征は鈴の肌に触れてくる。

 胸の少し上の辺り。

 ……常々思っていたのだが、ドレスというやつは、どうして、こんなに露出が多いのだ。
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