というわけで、結婚してください!
 征もそう思ったようで、
「お前が一番怖いな……」
と睨んでいたが、数志は、ケロッとした顔で征に言う。

「いや、貴方の死体を埋めても、別にいいんですけど。
 でも、貴方が死んだら、真っ先に疑われるの、鈴様ですからね」

「何故だ」
と言う征に、

「だって、嫌がる鈴様と無理やり結婚しようとしたり。

 地下牢に閉じ込めたり、縄で縛ったり。

 まあ、殺されてもしょうがないなってことばかりしてるじゃないですか」
と数志は言っていた。

 あのー、数志さん。

 もう口開かない方が……と思いながら、鈴は聞いていた。

 うーむ。

 征さんとの間に鉄格子があるがゆえの余裕だろうか。

 でも、どのみち、この猛獣は外に出て行くのではないだろうか? と思っていたのだが――。
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