というわけで、結婚してください!
「そういうの、中高生の妄想にとどめておいて欲しいんですけどね~」
と渋い顔をしたあとで、数志は、

「まあ、この歳で初めて恋を知ると、恐ろしいってことですね」
と言い、征を見たあとで、チラ、と尊を見、チラチラッと鈴を見た。

 全員、似たり寄ったりだと言いたいのだろう。

 そんな数志の前で、征は高らかに語り出す。

「俺は、鈴と二人なら一生、此処に居ても大丈夫だ」

 ……嫌です。

 そう思う鈴の前で、数志が溜息をついて、言ってきた。

「心配しなくても、飲み食いしなかったら、此処での一生はすぐに終わりますよ」

 なにも差し入れない気か。
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