というわけで、結婚してください!
「とりあえず、一旦、そこから出なさい」
と正明に言われ、征は渋々従う。

 征も父親には逆らいがたいようだ。

 尊は手のひらの鍵を見ながら、正明に言った。

「この鍵は守衛室にあったのか」

「そうだな」

 征が持っているのとは、また別の鍵が守衛室にはあったようだ。

「監視カメラで此処も見えてたんじゃないのか?」

「そうだな」

「止めろよっ」
と尊が言うと、正明は、

「いや、一度、とことんまで、やり合った方がいいかなと思って、こういうことは」
と言ってくる。
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