というわけで、結婚してください!
 それにしても……

「何故、このお二人は同じような格好を?

 私、双子のお友だち居ましたけど。
 一緒に見られたくないと言って、髪型も服装も全然違う感じにしてましたけど」

 いや、仲良し姉妹なら、全部同じにしたがるということもあるだろうが。

 夫を取り合っているのに、何故っ?
と思っていると、尊が溜息をつき、言ってくる。

「あの二人はああやって、人を惑わすのが好きなんだ」

 まさしく、魔性の女ですね……。

「だんだん、横暴だと思っていたお義父様が可哀想になってきましたよ。
 その家の舞台裏って、中に入ってみないとわからないものですね」

 しかし――。

 ということは、二人に振り回されつづけて可哀想だと思うのも、端から見ているから思うだけのことで。

 ああ見えて、尊の父は、この二人が居ないと生きていけないのかもしれないな、と思っていた。
< 349 / 477 >

この作品をシェア

pagetop