というわけで、結婚してください!
 



 がっつり、丼など食べるつもりだったのだが。

 入ったサービスエリアのちゃんぽんが、めちゃくちゃ美味しそうだったので、ちゃんぽんを食べてしまった。

「美味しかったです」

 よく冷えた水を飲みながら、鈴が言うと、
「此処にしてよかったな。
 『もう定食やめました』の店に入らなくて」
と尊が笑って言ってくる。

 いや……、『もう』はついてませんよ。

 そして、本当に見たんですよ、と思っていると、

「秀《しゅう》も此処のちゃんぽんが好きなんだ」
と尊は言い出す。

 式場から逃亡した最初にお世話になった、車の整備工場の朝倉秀《あさくら しゅう》だ。

 式にも来てくれていた。

 あまり話す時間もなくて、尊は残念そうだったが。

「秀は、わざわざ、此処にちゃんぽんだけ食べに来て、引き返したりしているらしいぞ」

「そうなんですか」
と笑ったとき、尊のスマホが鳴り出した。

 それを見た尊が眉をひそめる。
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