というわけで、結婚してください!
「まだ、あいつがあんなお偉くなる前にな。

 まだ新米の若造だったくせに、
『それはあなたの考えることでしょう』とか。

 物言いがいちいちムカつくんだよっ、お前の弟はっ」

 非常によくわかるんですが。

 同じ顔だからって、俺の胸ぐらをつかまないでください……と思いながら、尊がデスクに座る田上を見下ろすと、

「おお、すまんすまん。
 別人だとわかっていても、顔が同じなんでな」
と言ってくる。

 もしや、征と同じ顔のせいで、俺はこんな目に……?

 理不尽だ……と思っていると、田上は、

「しかし、お前の嫁さんは偉いな。

 見た瞬間に、お前とあの弟の違いがわかったんだろうな」
と言ってくる。

「そうだ。
 これをやろう」
と田上は引き出しから、抽選でしか入れない今回のイベントの、VIP用の招待状を出してきた。
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