というわけで、結婚してください!
  


 今日も尊さん帰ってこないのでしょうか。

 鈴が膝を抱えて、ぽすと並んでテレビを見ていると、玄関の鍵をガチャガチャやる音が聞こえてきた。

 尊さんっ!?……

 ……か、新聞屋さんかっ、集金の人かっ、強盗っ!?

 期待しては、落ち込むことが多いので、かなり疑心暗鬼になっていたが。

 鍵を開けて入ってきたのは、尊だった。

「尊さんっ。
 お疲れ様ですっ」
と出所してきたアニキを出迎えるように、鈴とぽすは玄関へと飛んでいく。

 相変わらず、疲れ果てている尊は立ったまま靴を脱ごうとして上手くいかず、腰を下ろしてから、靴を脱いでいた。

 鈴に背を向けたまま言ってくる。
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