というわけで、結婚してください!
「ええっ?
 風邪ひきますよっ。

 尊さんっ。

 尊さ……

 ぽすっ」

 自分一人では尊を布団まで運べない。

 助けを求めて辺りを見回した鈴は、思わず、ぽすを呼んだが、ぽすは、ただ、尊と自分の周りをチョロチョロしているだけだった。

 尊はうっすら目を開けると、天井を見たまま言ってくる。

「必ず来てくれ、鈴。

 ……ああ、駄目だ。

 眠いな。

 鈴、せめて、手を握ってくれ」

「はい?」

「今日もお前になにもできそうにない。
 せめて、手を握っててくれ」

 ボロボロの尊にそう言われ、鈴は強くその手を握りしめる。
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