というわけで、結婚してください!
「ねぎらってもらって、ありがたいが。
 他の連中もねぎらってやれ」

「わかっている。
 俺に指示するな」

 はたから見ていたら、なにかの打ち合わせかな、と思うくらい静かに二人は喧嘩していた。

 盛り上がっているイベントに水を差さないようにだろう。

 しかし、鈴はひとり、まったく違うことを考えていた。

 仕事している尊さんが見られて嬉しいなーとか。

 普段も格好いいけど、仕事中はもっと格好いいかなー、とか。

 そんな呑気なことを思っていたとき、いきなり、肩から、ふっと重みが消えた。

 さっき、子どもたちが触らせてくれというので、ケージから出していたぽすが、鈴の肩に乗っていたのだが、突然、飛び降りたようだった。

「えっ? ぽすっ?」
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