というわけで、結婚してください!
「すみません。
 お出迎えしようと、此処で待ってたのに」
と謝ったが、

「いや、無理するなと言ったろ」
と尊は言う。

「それに俺もちょっと、うとうとしてた。

 まあ、会社で疲れて寝ていると、支社長が毛布をかけてくれるという夢を見て、うなされてたんだがな」
と眉をひそめて言ってくるので、笑ってしまった。

 忙し過ぎて、ずっと会社に居た後遺症だろう。

「支社長、意外にいい方でしたね」

「そうだな。
 征にも堂々と物を言うしな。

 ……ま、言ってたから、支社に飛ばされたのかもしれないけどな」

 それでも、主義主張を変えないところが凄い、と尊は言う。

「此処の支社は反乱分子が集めてあるのでしょうかね?」
と鈴は呟く。

 でも、上に意見が言える人間が居ることも大事なので、のびのびやれるよう、こっちに集めてあるのかもしれないな、とちょっと思った。

 きっと、福岡支社は本社とは、また違う活気があるんだろうな、と思う。
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