というわけで、結婚してください!
「でっ、では、月曜に婚姻届を出しに行きましょうっ」
と鈴が拳を作ると、

「そうだな」
と言ったあとで、寝たまま尊は鈴を見つめてくる。

「でも、もうひとつ。
 大事なこと、忘れてるよな? 鈴」

「えっ、なっ、なんですかっ?」

「最初、俺はお前に言ったよな。
 お前を抱くまで、俺の復讐は終わらないって――。

 でも、なんか違ったな」
と尊は苦笑する。

「今は、お前を抱かないと、俺の人生が始まらない感じがしてる」

 鈴、と尊は布団の上にある鈴の指におのれの指先をからめてきた。
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