というわけで、結婚してください!
「くだらないこと言ってないで、寝ろ。
 俺はもうちょっと、このピー音を聞いて寝るから」

 なんて言ってるのか推理する、という尊に笑うと、
「鍵、かけとけよ、寝室」
と尊が去り際言ってきた。

「え?
 そしたら、尊さんが入って来られないじゃないですか」
と振り向き、言うと、

「入ってきて欲しいのか……」
と言う。

「いえ、そうじゃなくて。
 尊さんが寝られないじゃないですか」

 このヴィラ、寝室は広いが、一箇所しかないはずだが、と思っていると、
「俺はあっちで寝る」
と尊は隣の部屋の方を指差す。

 そういえば、あっちにも大きなソファがあったが、それで大丈夫なのだろうか、と思っていると、
「忍んできて欲しかったら、鍵開けとけ」
と言われた。
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