というわけで、結婚してください!
「いや、征様が尊様に花嫁を連れ去られて探していると聞かれて、もう探さなくていいんじゃない? っておっしゃってました。

 尊がオモチャにしたような女、今更連れて帰っても、どっちの子を産むかもわからないのにって」

「ええっ?
 私、清らかなんですけどっ」
と思わず叫んだ鈴を尊が睨んでいる。

 やっぱりか、と数志は思っていた。

 尊の性格では、嫌がる女を無理やりに、なんてことはできないと思っていたのだ。

 たぶん、式場から連れ出して、散々、言葉で脅したあとに、返すつもりだったのだろう。

 ……で、なんで、ずっと一緒に居るんだろうな、と思いながら、二人に言った。

「どうでもいいですけど。
 三日以内にはお帰りくださいよ。

 尊様は、飛ばされた支社に三日後には赴任されてないとまずいでしょうが」

「えっ?
 そうなんですか?」
と鈴が尊を見る。
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