絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
彼女が連れてきてくれたのは、完全個室の和食が食べられる居酒屋だった。

メニュー表を見ると全国各所の日本酒が豊富にある。

オシャレなカフェやレストランだとばかり思っていたから、ちょっぴり意外。

「有坂さん、お酒は飲める?」

「あ、あまり強くなければ」

「了解。オススメのお酒と料理、何品か注文するね」

そう言うと彼女は慣れた様子で店員を呼び、料理やお酒を注文していく。

おしぼりで手を拭きながら、さっそく運ばれてきたお通しを食べる大曽根さんに訊ねた。

「ここ、大曽根さんの行きつけなの?」

「うん、そうなの。私日本酒が大好きで。ここ、私の知る限り都内で一番種類が豊富にあるお店なの。日本酒に合う料理も本当に美味しいから期待していて」

「……うん」

無邪気な子供みたいに笑う大曽根さんに、面食らう。

なんというか、私の知る大曽根さんは申し訳ないけど、どこか気取っていて、日本酒を飲むようなイメージはなかったから。日本酒というより、ワインやシャンパンってイメージ。

そんなことを考えていると、大曽根さんが注文してくれた日本酒が運ばれてきた。
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