絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
日本酒の名称が書かれていた。【大関 極上の甘口】と。

「それ、兵庫県のお酒なの。アルコール度数も少なめで甘いだけじゃなくて、ほどよい酸味でスッキリ飲めると思う」

「そうなんだ、大曽根さん本当に詳しいんだね」

「まぁね」

ドキドキしながら一口飲むと、彼女の言う通り甘いだけじゃなく酸味もあり、とっても飲みやすい。

「美味しい」

「よかった。料理も食べてみて」

「うん、ありがとう」

大曽根さんに薦められるがまま料理を口に運んでいく。

美味しい料理とお酒を堪能していると、大曽根さんは仕事の愚痴を零し始めた。

「秘書課って華やかなイメージを持たれているようだけど、実際は雑用ばかりで辛いの。そのくせ身だしなみには厳しくて、メイクひとつでもダメ出しされるしさ。実際に秘書として一人前になるまでに二年はかかるし」

「そうなんだ……」

私も秘書課って勝手に華やかなイメージを抱いていた。だってやっぱり秘書っていったら、花形じゃない?
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