絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「じゃあなに? 教えてよ」

箸を置き、鋭い視線を向けられ怯みそうになる。これはすべて話さないことには、納得してくれなそうだ。

それにおじさんからすべて話を聞いている大曽根さんに、今さら誤魔化しても意味がない。

そう思い、上杉さんとのことを恥ずかしくなりながらもすべて曝け出した。


「有坂さんってば私たちより二歳年上だったんだ。それなのに誰かを好きになったことがないって……嘘でしょ?」

「……本当です」

素直に認めると、彼女はこれでもかというほど大きく目を見開いた。

「びっくり。……あ、今さらだけど敬語を使った方がいい?」

「ううん、今まで通りで大丈夫だよ」

それに同期だし、敬語を使われたら寂しいもの。

「そう? ならこのまま敬語は使わずにいかせてもらうけど……」

すると大曽根さんは、グラスに残っていた日本酒を飲み干し、キッと鋭い目を向けた。
< 104 / 272 >

この作品をシェア

pagetop