絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「あ~んな優良物件に求愛されて保留にしているとか、贅沢すぎ! 別に結婚してから好きになればいいじゃん。私だったら迷いなくそうしちゃうけど」

とんでもないことを言う大曽根さんにギョッとなる。

「いや、だって結婚だよ!? 生涯共に過ごす相手なのに、簡単には決められないじゃない」

「世の中には愛のない結婚をしているカップルも大勢いるじゃない」

「それはそうかもしれないけど……やっぱり本当に好きな人と結婚したいじゃない? それに結婚するなら死ぬまで添い遂げたいし」

おじいちゃんとおばあちゃんのように、いつまでも仲が良い夫婦でいたいもの。

理想を口にすると、大曽根さんは口元に手を当てて笑い出した。

「アハハッ! 有坂さんって意外と乙女なのね。可愛い!」

「かわっ……!?」

可愛い!?

目の前で大笑いされ、居たたまれなくなる。

でも普通じゃないの? 誰だって結婚には夢を抱いているはず。

大曽根さんはひとしきり笑った後、私を見据えた。
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