絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「なにか言ってくださいよ」

居たたまれなくなり催促すると、上杉さんは嬉しそうに言った。

『ごめん、まさか麻衣子に心配してもらえるとは思わなかったからさ。……いいね、お疲れ様って。できれば毎日顔を見て直接言われたいよ。そうだ、思い切って同棲しようか?』

「しません!」

勝手に話を進める彼にすぐさま否定すると、愉快そうに笑う。

『アハハ、冗談だよ。そんなにムキになることないのに。まぁ、近い将来、実現させてみせるけどね』

そしていつものように強気に言う。

『でも疲れている時に、こうして麻衣子の声が聞けてよかったよ。おかげで元気が出た。……また明日から頑張れる』

「……そうですか」

甘いセリフを囁く彼に、さらに顔が熱くなる。

電話でよかった。絶対今の私の顔、赤いもの。こんな姿彼に見られたくない。

手で仰ぎながら顔の熱を取っていると、彼は思い出したように話し始めた。
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