絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
『電話をかけたのは、麻衣子の声を聞きたかったのもあるけど、伝えたいことがあったんだ。麻衣子、俺の秘書の磯部のことは知っているか?』

「えっ」

タイムリーな磯部さんの名前を聞き、ドキッとなる。

『知らないか? 初日に石上と一緒に磯部のことも紹介したんだが……』

怪訝そうに聞かれ、慌てて答えた。

「あ、もちろん知ってます」

たった一言、『よろしくお願いします』としか言わなかったけれど、凛としていて、磯部さんを見た石上君も『いかにも仕事がデキそうな人だな』と言っていた。上杉さんのことを好きだなんて、思いもしなかった。

「磯部さんがどうかされたんですか?」

上杉さんから磯部さんの話を聞くのは初めてだ。なにかあったのだろうか。
もしや磯部さんに告白をされて、彼女と付き合うことにしたとか?

そんな考えが頭をよぎり、彼の答えを待つ。

『会社では内緒にしてほしいと言われていたけど、悪い。父さんから俺と麻衣子のことが磯部にバレた』

「……えっ!?」

バレたって……しかもまたおじさん!?
< 113 / 272 >

この作品をシェア

pagetop