絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
私の話を聞いてもらってばかりだったけど、そういえば真理愛は今、好きな人はいないのかな? いや、でもいたら玉の輿を狙っているなんて言わないか。

だけど今後、真理愛になにかあったら力になりたいな。彼女が私の話を聞いてくれたように私も少しでも力になりたい。

「真理愛もなにか困ったことがあったら、いつでも相談してね」

その思いで伝えると、彼女は一瞬驚いた顔を見せたものの、すぐに表情を崩した。

「ありがとう。じゃあ今度、玉の輿候補を斡旋してよ」

「えっ!?」

「麻衣子なら上杉部長のような人と知り合い多いでしょ? 誰かひとりくらい紹介してよ」

ニヤリと笑う彼女に、タジタジになる。

いや、たしかに社交の場で知り合った御曹司はいる。でも、挨拶を交わす程度の仲だし、なにより……。

期待している真理愛には申し訳ないけど、友達だからこそ真実を伝えよう。

「あのさ、玉の輿を夢見る真理愛には言いづらいんだけど……」

「なに?」

前のめりになり私の答えを待つ彼女に、恐る恐る告げた。
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