絶対俺の嫁にするから～御曹司のイジワルな溺愛包囲網～

教えてくれたのは、あなたでした

【わかったよ、楽しんでおいで。だけどあまり遅くならないこと。それと帰る時は連絡して】

仕事が終わり、スマホを確認すると上杉さんからメッセージが届いていた。
【わかりました】と返信し、自分に活を入れて数日ぶりの自宅へと向かう。

磯部さんに言われて午後、仕事をしながらずっと考えていた。

私……向き合うのは怖いとか、理由をつけて逃げていただけだったのかもしれない。気持ちの整理がつくまでは会いたくないと思っていたけど、いつになったらその整理がつくのかなって。
結局会わないことには、心の整理なんてつかないんじゃないかって。

だからお母さんに会うために家の近くまできたものの……。情けないことに進むスピードが遅くなる。

時刻は十八時前。お父さんはきっとまだ会社だよね？　でもお母さんはいるはず。

家に帰ってからのことを考えながら歩いていると、いつの間にか自宅前に着いていた。

「嘘、もう家？」

実際に家の前に着くと、焦りを覚える。