絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
これまで通り、顔を見合わせるだけの関係だったら、私は彼のことを誤解したままだったもの。
するとお母さんは、半信半疑で聞いてきた。

「え……麻衣子は岳人君のことをその、好きなの? お母さんたちに言われて渋々だったわけじゃないの?」

たしかに最初は苦手だった。でも今は違う。

「上杉さんを好きになるきっかけをくれたお母さんとお父さんに、感謝しているよ」

「麻衣子……」

お見合いをしなかったら、上杉さんを知ることも、好きになることもできなかったから。

「ありがとう、それを聞いてホッとしたわ」

再び涙を流すお母さんに、胸がいっぱいになる。

「それとお仕事のこともごめんなさい。お母さん、ただ心配で……。でもお父さんにも言われたんだけど、それは岳人君と麻衣子の問題だものね、私が口出しすることじゃなかったわ」

えっ……じゃあわかってくれたの? この先、ずっと仕事を続けていくことを許してくれるの?

「あ、夕食まだよね? ちょっと待ってて、なにか作るから」

お母さんは涙を拭くと慌ただしく立ち上がり、キッチンへ駆け込む。
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