絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「心労によるものだと思います。お母様は以前にも心労による心臓の痛みを訴え、入院歴があります。今は薬で落ち着いておりますが、しばらく入院していただき、検査をしながら様子を見ていきましょう」

心労からくるものって……それは間違いなく、私のせいだよね?

「有坂さん……?」

なにも言わない私を、医師は心配そうに見ていた。

「あ、すみません。……よろしくお願いします」

慌てて頭を下げ、入院の手続きをするために緊急外来の受付に案内された。

「入院に必要な書類になります。記入、捺印の上、明日受付にご提出ください。それとこちらに入院に必要なものが記載されておりますので、ご準備お願いします」

「はい、わかりました」

書類を一式受け取り、目を通していく。

あ、お父さんにも連絡をしないと。
今さらながらに気づき、病院の外に出た。

夜の涼しい風に触れて、張り詰めていた糸が緩んだのか、今頃になって涙が零れ落ちた。

「あれ、やだどうして……?」

拭っても拭っても、次から次へと溢れて止まらない。
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