絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
嘘でしょ、ちょっと待って。
昨夜、上杉さんが来てから帰るまでの出来事を思い出す。

彼と話したこと全部、お母さんに聞かれていたってことだよね? どうしよう、かなり恥ずかしいんだけど!
みるみるうちに顔が熱くなっていく。

お母さんに対しての想いも口にしていたよね? そ、それに上杉さんも色々と語っていた。

ひとりパニックになっていると、お母さんは笑うばかり。ひとしきり笑った後、お母さんは私の手を強く握りしめた。

「麻衣子の気持ちを聞けて、とても嬉しかった。……お母さんも上杉さんと同じよ。迷惑になんて思わないわ。もっとあなたの本音を聞かせてほしい」

お母さんは申し訳なさそうに眉尻を下げた。

「今回はちょっとお母さん、ひとりで色々考えすぎちゃっただけなの。でも今は大丈夫。麻衣子のワガママでも暴言でも、なんでも受け止める覚悟はあるわ。……だからこれからは、なんでも話してほしい。お母さんもこれまで以上に色々な話をさせてもらうから」

呆然とする私の顔を覗き込み、お母さんは「わかった?」と聞いてきた。

「……うん」
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