絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
またグルグルと考え込みそうになるものの、チラッと彼を見れば真剣な瞳が向けられていて、息を呑む。

上杉さんは全部話してくれた。言いづらいこともすべて。だったら私も正直に今の素直な気持ちを伝えるべきだよね。

この歳になって初恋もまだだなんて、どう思われるかわからなくて少し怖いけど、でも彼に嘘はつきたくない、そう思った。

喉の渇きを覚え、お茶を一気に飲み干した後、上杉さんと向かい合う。

「あの……上杉さんのお気持ちはしっかりと理解しました」

「そっか、それはよかった」

ホッとした顔を見せた彼には悪いけど……。

「でも、あの……すみません、私……誰かを好きになる気持ちがどういうものなのか、よくわからないんです」

「――え」

正直な気持ちを吐露すると、上杉さんは目を見開いた。

「なに? まさか麻衣子、初恋もまだってこと……?」

恐る恐る聞いてきた上杉さんに、ゆっくりと頷くとさらに彼は目を丸くさせた。

やっぱりそういう反応になるよね。二十四歳にもなって初恋もまだとか、普通はあり得ないよね。
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