絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「小学校から高校までずっと女子校で、そういう出会いもなくて……。専門学校や大学では勉強に夢中で……」

恋愛してこなかった経緯を説明すると、上杉さんは「そっか」と呟いた。

「だからその……こういう時はどうすればいいのかわからなくて……。上杉さんの気持ちには今の私では答えられないので」

今のなんとも言えない自分の気持ちを口にすると、上杉さんは考え込む。

いや、でもこれは仕方ないよね。
こんな私のことを好きになってくれて正直嬉しく思う。でも私は好きって気持ちがわからないから。

なにも言わずに上杉さんの答えを待つ。すると彼は急に顔を綻ばせた。

「やばいな、それ。じゃあ麻衣子の初めては全部俺ってことだろ?」

「え?」

声を上げると、上杉さんは声を弾ませた。

「誰かを好きになるのも、彼氏になるのも、キスするのも、麻衣子の身体に触れるのも、全部俺だけってことだろ?」

「キッ……!?」

キス!? 身体に触れる!?

聞き捨てならないワードに声を荒らげてしまう。

たしかに私が上杉さんを好きになって、付き合うことになったらそういうことになるのかもしれないけど、言葉にして言われると恥ずかしい。
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