絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
絶句する私とは違い、両親たちは歓声を上げた。

「あらあら、まぁ。岳人ったらいつからそんなに麻衣子ちゃんと仲が良かったの?」

「本当だよな、母さん。教えてくれたらもっと早くこの席を用意したというのに」

「よく昔から話していたのよね、あなた。岳人と麻衣子ちゃんが一緒になってくれたら嬉しいわねって」

「そうだったな。よかったな、母さん。念願叶って」

「えぇ、本当に」

自分の両親がとんでもないことを言っているというのに、上杉さんは笑顔で相槌を打つだけ。

ちょっ、ちょっと上杉さん! あなたはいったいなにを考えているんですか!?

このままじゃ本当に私と結婚させられそうな勢いですよ!?

目で訴えるものの、彼は我関せず状態。両親たちは、ますます私たちの結婚に前向きになっていき、結婚式場や私たちの新居について話し始めた。

トントン拍子に進んでいく現状に呆気にとられる中、興奮してしまったのか、いつもよりお母さんの表情が暗い。

私と同じように気づいたお父さんが、そっと声をかけた。
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