絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
敏夫さんから私がどんな思いで専門学校や大学へ進学し、今日まで過ごしてきたか聞いているはず。

上杉さんならきっと、私の気持ちを理解してくれるよね? 私が会社で働きづらい環境にならないよう、配慮してくれるよね?

彼に向かって頭を下げながら願っていると、頭上からは盛大なため息が零れてきた。

ゆっくりと顔を上げると、なぜか上杉さんは頭を抱え、恨めしそうに私を見ていた。

「あの……?」

尋ねると再び彼は深く息を吐く。

「勘弁してよ、麻衣子。……麻衣子はさ、いったいどれだけ俺を好きにさせれば気が済むわけ?」

「……はい?」

突然意味のわからないことを言い出した上杉さんに、顔が引きつる。

いやいや、こっちが聞きたい。これまでのやり取りの中で、いつ私があなたに好きになってもらえるような言動をとりましたか?と。

だけど彼は嬉しそうに顔を綻ばせた。
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