絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
どうして上杉さんはいつも自信たっぷりに言うんだろう。だって私の気持ちは他の誰のものでもない、私だけのものなのに。
最初からずっと彼は私が自分を好きになるようなことを言う。
私を見下ろす彼に負けじと見つめ返していると、トイレを済ませてすっきりした石上君が戻ってきた。
「すみませんでした、お待たせしてしまい。……って、どうしたんですか? なにかあったんですか?」
一色触発な空気の私たちを見て、石上君は目を瞬かせた。
やばい、石上君のことをすっかり忘れていた。どうしよう、なんて説明すればいい?
あわあわする私とは違い、上杉さんはすぐさまスイッチを切り替える。
「いや、なんでもないよ。石上がトイレに行っている間、有坂に仕事内容について説明していたんだ」
爽やかな笑顔で言う上杉さんに、石上君は疑うことはせず残念がる。
「マジッすか。ズルイな、有坂さん。今度俺にも話を聞かせてよ」
「う、うん……」
上杉さんとのことで変に勘ぐられずに済んでホッとしたけど……。
「じゃあオフィスへ行こうか。みんなふたりを待っているから」
上司の顔になり、私たちを先導する上杉さんの後を石上君は嬉しそうについていく。
私も彼の背中を追いながら、これからの社会人生活に一抹の不安を抱くばかりだった。
最初からずっと彼は私が自分を好きになるようなことを言う。
私を見下ろす彼に負けじと見つめ返していると、トイレを済ませてすっきりした石上君が戻ってきた。
「すみませんでした、お待たせしてしまい。……って、どうしたんですか? なにかあったんですか?」
一色触発な空気の私たちを見て、石上君は目を瞬かせた。
やばい、石上君のことをすっかり忘れていた。どうしよう、なんて説明すればいい?
あわあわする私とは違い、上杉さんはすぐさまスイッチを切り替える。
「いや、なんでもないよ。石上がトイレに行っている間、有坂に仕事内容について説明していたんだ」
爽やかな笑顔で言う上杉さんに、石上君は疑うことはせず残念がる。
「マジッすか。ズルイな、有坂さん。今度俺にも話を聞かせてよ」
「う、うん……」
上杉さんとのことで変に勘ぐられずに済んでホッとしたけど……。
「じゃあオフィスへ行こうか。みんなふたりを待っているから」
上司の顔になり、私たちを先導する上杉さんの後を石上君は嬉しそうについていく。
私も彼の背中を追いながら、これからの社会人生活に一抹の不安を抱くばかりだった。