絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「麻衣子ちゃんも行こう。上杉部長と話せるチャンスだよ」

「いや、あの私は……」

やんわり断ろうとしたものの、さらに強い力で腕を掴まれた。

「もう新人だからって遠慮しないの。話せる時に話さないと!」

そう言うと絵里さんが私の腕をグイグイ引き、上杉さんの元へ向かっていく。

どうやら彼女の中で、上杉さんと話したくない女性もいるという考えはないようだ。

できるなら私は会社では一切関わりたくないのに。

引かれるがまま彼の元へ向かうと、すぐに気づかれ目が合う。

ドキッとした次の瞬間、上杉さんは私に向かって手を挙げた。

「有坂、ちょうどよかった。お前を探していたんだ」

「え?」

みんなの視線が私に向けられ、非常に居心地が悪くなる。だけど上杉さんは構うことなく私の目の前に来ると、手にしていた書類を私に差し出した。

「新入社員を対象にしたカウンセリングの案内。不安に思うことや困っていることがあったら、在中のカウンセラーが優先的に見てくれるようだから、なにかあったら利用するといい」

「……ありがとうございます」

なんだ、普通に上司としての連絡事項ね。
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