絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「見ろよ、麻衣子。都内が一望できるぞ。綺麗だな」

彼の言う通り、窓際の席から見える夜景は息を呑むほど美しい。だからと言って上杉さんと一緒に、夜景を楽しんでいる場合じゃない。

「上杉さん、まずはこの状況を説明していただけませんか?」

約束通り彼は、十九時に自宅まで私のことを迎えに来てくれた。上杉さんが運転する車で向かった先は、都内でも夜景が見渡せることで有名な一流フレンチレストラン。

てっきりもう先に来ているとばかり思っていたおじさんたちの姿はなく、個室には私たちふたりだけ。

おまけに先ほど料理のオーダーを取りにきたウエイターに向かって、彼はふたり分のコース料理を注文したのだ。

「おじさんたちが私に会いたいと言っていると伺っていたのですが、どういうことですか?」

責め立てると、彼はすぐに暴露した。

「そうでも言わなきゃ、麻衣子は俺と会ってくれないだろ? 俺はさんざん食事に誘っても、断り続けてきたじゃないか。だから強硬手段に出たまでだ」
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