絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
騙して連れてきた上杉さんが悪いのに、彼は謝るどころかまるで私が悪いみたいな物言いだ。
たしかに何度か食事に誘われていたけど、断り続けていた。だけど私にだって言い分はある。

「仕方ないじゃないですか、慣れない仕事で毎日疲れていたんです」

いきなり体調崩して仕事を休むなんてこと、したくなかったし。

「だったらなおさら俺と会うべきだろう。疲れなんていくらでも俺が癒してやるのに」

これは冗談? それとも本気?

だけどここでムキになって言い返したりでもしたら、いつものように彼のペースにのまれて、からかわれてしまいそうだ。

学習した私はこの話題はスルーした。

「それと今日のような誘い方はやめてもらえませんか? 誰かに見られたりしたら大変です」

付箋のことを伝えると、上杉さんは満面の笑みを見せた。

「秘密の社内恋愛の醍醐味だろ? 誰にも気づかれないよう、付箋でやり取りするのは。どうだ? ドキドキしたか?」

「えぇ、違う意味で大変ドキドキしました」

淡々と答えると、上杉さんは声を上げて笑った。
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