絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「そういえばこの前も、見合いの時も麻衣子、美味そうに食っていたよな。食べることが好きなのか?」

えっ!? 私、そんなに美味しそうに食べていたのかな。そうなら恥ずかしい。だけど彼の言う通り、食べることは嫌いじゃない。

「……はい。でも食べることが嫌いな人なんて、いなくないですか? それに身体は資本じゃないですか」

それは幼い頃、散々祖父母に言われてきた言葉だった。人間、身体が資本。たくさん食べることが一番大切なのだと。

すると上杉さんはクスリと笑みを零す。

「そうだな、身体が資本だよな。……俺も美味しい物を食べることが好きだから、今度またふたりで食事に行こう」

さり気なく食事に誘われて、ドキッとしてしまう。

誘い方がうまいというか、慣れているというか……。そう思うと今度はなぜかもやッとなる。

コロコロと変わる自分の感情に戸惑っていると、次の料理が運ばれてきた。

キングサーモンを使った料理で、こちらも見た目がまた美しい。

味わいながら食べていると、彼がポツリと言う。
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