絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「ごめん、そんなに驚かせるつもりはなかったの」

「あ、ううん。こっちこそごめん。ちょっと考え事をしていたから、びっくりしちゃって……」

そういえば大曽根さんをはじめ、同じ本社に配属された同期とは、入社式以来話をしていない。

社内で顔を合わせて挨拶程度だ。その中でも最上階にオフィスがあり、重役に就いて仕事をしている大曽根さんとは、一度も顔を合わせていなかった。

久しぶりに見る大曽根さんは、メイクを変えたのだろうか、ますます綺麗になっている。

ついまじまじと眺めていると、彼女は急にとびっきりなスマイルを見せて私の腕を掴んだ。

「こんなところで思いがけず会えて嬉しい。積もる話もあるし、どこかでご飯食べていかない?」

「えっ?」

『いかない?』なんて聞いておきながら、大曽根さんは私の腕を離す様子もなく、これは私に拒否権などなさそうだ。

でも私も早く家に帰りたくなかったし、ちょうどよかったかも。

了承し、お母さんに同僚と食事してくることを伝え、大曽根さんオススメのお店へと向かった。
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