イケメンエリート、はじめての純愛⁇
何があっても負けませんから


そして、いよいよ咲子の両親に会う日が来た。
映司は緊張のあまり昨夜はほとんど眠れなかった。
何もかもが初めての経験な上、感情面でも味わった事のないドキドキやソワソワが多過ぎて体がついていかない。

映司は咲子と、咲子の事務所の入っているビルの前で待ち合わせた。
仕事の帰りという事で、映司は普通のスーツ姿だ。
でも映司にとっての普通は、超高級ブランドのスーツだけれど。

映司は、ビルから出てきた咲子の姿を見て愕然とした。
いつの日かのデジャブかもしれないと思い、一度目を閉じてもう一回咲子を見る。


「お待たせしました、映司さん。
では、行きましょうか?」


咲子はまた着物を身に着けている。
咲子にとって、着物は戦闘服なのかもしれない。
でも、我が家に帰るのに、着物?
映司がポカンと咲子を見ていると、咲子は意地悪そうな笑みを浮かべてこう言った。


「映司さん、紋付き袴じゃないんですか?」


「も、紋付き袴…?」




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