イケメンエリート、はじめての純愛⁇


映司はホッと胸を撫でおろした。
タロウ君がいくら口が堅いからといっても、俺の無様な姿を見られたくはない。
いや、無様にはならないように努力するけれど…

咲子の家は広大な土地の真ん中辺りにあるらしい。
でも、ここの住所から考えれば、この土地の広さは億単位の価値がつく。
映司は、改めて咲子の家柄の凄さを思い知った。

来客専用の駐車場に着くと、咲子はそこで車から降りた。


「家までちょっとだけ歩きますけど、その間に、映司さん打ち合わせをしましょう」


映司と咲子は、鬱蒼と生い茂る森の中を歩き始めた。
そこは遊歩道になっていて、今が明るい昼間ならたくさんの緑や花々を見る事ができたはず。
映司はそんな事をぼんやり考えていると、咲子に腕をつんつんと突かれた。


「映司さん、映司さんは自分の自己紹介だけ考えていてくださいね。
後の説明は私がします。
私に任せてください!

そして、私が帰りましょうと言ったら、即、帰る事。
よろしくお願いします」




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