イケメンエリート、はじめての純愛⁇


隣に立つ咲子も、映司の笑いを我慢する顔にどうしても頬が緩んでしまう。
でも、それでも心を落ち着かせ、お手伝いの人達に映司の紹介を始めた。


「この方はEOCの堀江映司さんと言います。
今日は私との結婚のお許しをもらいに来ました」


映司はギョッとした。
もちろん、お手伝いの二人組もそれ以上にギョッとしている。
咲子の単刀直入の切り口は、味方の映司までもたまに切り付けてしまう。

まだ玄関先から上がらない内に、映司の心臓はバクバクが止まらなくなった。


「咲子様、け、結婚って…
奥様や旦那様はもう存じ上げているのでしょうか…?」


年配の方の女性が冷静を装いながら、咲子にそう聞いた。
咲子は笑顔で首を横に振る。


「知りません。
だから、私が話すまでは知らないふりをしていてくださいね」





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