イケメンエリート、はじめての純愛⁇
咲子の親が隕石並みの石頭を持っているのなら、この娘の咲子はダイヤモンドの頭を持っているに違いない。
ダイヤモンドは隕石に硬さでは劣るけれど、美しさでは群を抜いている。
だから、何?
確実に俺はパニックになってる…
冷静沈着の堀江映司は、もはやここには居ない。
「じゃ、映司さん、行きましょう」
映司はお手伝いさんに出されたシンプルなスリッパを履き、咲子の後ろを歩いた。
映司の事を見上げるお手伝いさん達の顔が、うっとりしているのが分かる。
映司は肩をすくめて微笑んだ。
その計算された眼差しは、二人の女性の心をがっつりと掴む。
味方は少ないより多い方がいいからね、と心で囁きながら、映司は二人に軽くウィンクをした。
そして、その時間は確実に近づいている。
リビングへと続くステンドグラス風の扉が見えてきた。
すると、その扉の前に、執事と思われる強面の年配の男性が立っている。