イケメンエリート、はじめての純愛⁇
私は、子供の頃から、絵本の中にある世界が大好きで西洋の国のお姫様になりたいと真剣に思っていた。
家の中で過ごす事が多かったせいで、想像の世界が私の友達だったから。
大好きなレースがついたフリフリのドレスを着て、真っ白い三角屋根のお城に住んで、そして金髪で青い目をした王子様が近くにいて…
少しだけ状況は違うけれど、でも、今の私はそんな幼い頃の夢の中にいる。
このホテルのスィートルームと西洋の顔と心を持った映司さんは、私にそんな夢を見させてくれる。
そんな状態の咲子は幸せ過ぎて、自分の周りで起きているいざこざを真剣に考えられない。
恋する乙女の絶頂期を迎えている咲子は、映司さえいればそれでいい、映司の吐息を近くで感じるひと時さえあれば他には何も要らないと心から思っていた。
最高に楽しかったお風呂の時間を終え、咲子と映司はルームサービスで頼んだお寿司をつまみながら、咲子は映司から今日の父とのやり取りの話を聞いた。