イケメンエリート、はじめての純愛⁇
「咲子ちゃんのお父さんの弱みって何かな?
何でもいいんだ。
例えば、夢中になっている物とか、趣味とか、あとは、動物が好きとか」
咲子はお寿司を頬張りながら微笑んだ。
自分なりに考えてみるけれど、何も全く思いつかない。
その空しさに笑うしかなかった。
「映司さん…
残念ですが、何もこれっぽっちも思いつかないです。
子供の頃から私にとっての父は、元皇族というブランドにしがみついているだけの人間としか見えていなかった。
何かあれば、自分達は特別なんだと優越感に高笑いするような…
だから、映司さんが一生懸命考えていることは、全て無意味な事なんです。
あの人の攻略法はこの世に存在しない。
特に、私に関しては、父の力は百万倍になりますから」
咲子はそう言いながら、自分の中では決心がついている、
七条家と縁を切るのが一番ベストだという事を。
そして、強いていうなら、この日本から出て行きたい。
映司と一緒に海外で暮らせるならば、何て幸せだろうって…
でも、そこまでは、まだ映司さんには言えないけれど。