イケメンエリート、はじめての純愛⁇
映司は咲子の様子を見ていた。
映司のマイナスな話を聞いても何も動じないし、それより他の楽しい話をしたいらしい。
「でも、咲子ちゃん…
お父さんの攻略法がなかったら、俺達、結婚できないよ…
だから、俺なりに一から考えてみる。
俺の熱意だけじゃ絶対に許してはくれないのは分かってるから、お父さんが飛びつきそうな何かを考え出さなきゃ…」
映司の話を咲子は途中で遮った。
それも、突然、大きめの卵焼きのお寿司を映司の口に入れて。
咲子は笑いながら、自分の口にも卵焼きの寿司を入れた。
「映司さんって、卵のお寿司嫌いでしょ?
実は、私も嫌いなんです。
だけど、残すのはもったいないので、一緒に食べましょうね」
映司は口をもぐもぐしながら、咲子の笑顔を見ている。
確かに卵は嫌いだ。
でも、こうやって咲子ともぐもぐしていると、どうしたことか、卵が美味しく感じてくる。