イケメンエリート、はじめての純愛⁇



謙人もお饅頭をもらい会話の仲間に入ってくる。


「謙人、うるさいよ。
あと、明智君も、もうその件については何も心配しなくていいから。
俺がちゃんと最後まで面倒をみるから、OK?」


映司は誰にも何も文句は言わせないとばかりに、威嚇して二人を見た。
自分の愛する家族を守る狼のような、そんな危険な保護本能をむき出しにして。

でも、そんな映司の威嚇にもひるまずに、謙人は咲子の写真をスマホで検索して見ていた。


「結構、可愛いじゃん、凪のとこの舞衣みたいで。
今度、俺にも紹介してよ」


映司はそんな謙人を更に睨んだ。
謙人、そろそろ黙らないとマジで絶交するぞと、あり得ないほどのキツイ視線を浴びせながら。

映司はもう一つお饅頭を口に放り投げた。
そして、そのお饅頭の箱のふたを閉めて、大切に自分のブースへ持って行く。


「謙人、悪いけど紹介なんて絶対しないから。
だって、この子は俺達が知っているような女の子じゃないんだ。
だから、絶対に誰にも紹介しないし会わせない。OK?」


映司は自分が情けなくなった。
まさに、俺は咲子様に惚れましたって宣言しているようなものだから。

そして、自分のブースで静かに考える。
舞衣か…
確かに誰かに似てるってずっと考えてた。
それって、舞衣なのかもしれない。
でも、凪には悪いけど、咲子様って舞衣よりはるかに可愛いと思う。
あの純真さは、混じりけのない本物だから。
悪いな、凪。




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