イケメンエリート、はじめての純愛⁇
咲子はアバンクールヒルズTOKYOという豪華なビルに初めて足を踏み入れた。
世間からはお嬢様と言われているが、実際のところ狭い世間で生きている。
子供の頃は学校と家の行き来は家の車だったし、大学に入ってからもその生活はさほど変わらなかった。
それに、幼い頃から次期皇太子殿下のお妃候補という噂が私につきまとい、男性からデートに誘われる事など一度もなかった。
だから、東京のお洒落な場所になんて、ほとんど行った事がない。
咲子はこの素敵なビルに来れただけで、人一倍感動していた。
超一流の人間が集まり、超一流の会社が集まったこのビルは、咲子にとっては夢の世界だ。
そして、すぐにグランドピアノを見つけた。
でも、時計を見ると、まだ30分近く待ち合わせには時間がある。
咲子はキョロキョロしていると、いつの間にかこのビルで働く人々の流れに付いていっていた。
本当に夢のような世界…