イケメンエリート、はじめての純愛⁇


映司は、とりあえず二人に向けて手を上げた。
でも、どう声をかければいいのか分からない。
というか、何で二人でいるんだ??
きっと、俺の顔は鬼の形相になってしまっている。
咲子の笑みが明智君に向けられているだけで、俺の中で嫉妬の大嵐が巻き上がる始末だ。

…落ち着つくんだ、映司。


「すみません… 遅れてしまって…」


咲子がそう言うと、すぐに明智君が助け舟を出した。


「咲子さん、何だか迷ってたのか、18階で僕がたまたま見つけて。
よかったです。
無事に映司さんの元へ連れてくる事ができて」


咲子はそういう風に言ってくれる明智君を見て、何度も頭を下げる。
それを見て、明智君も頭を下げる。
そして、何が可笑しいのか、二人で見つめ合って笑い合う。

映司はイラつく心を落ち着かせるために、ゆっくりと目を閉じた。
咲子さんだって??
悪いけど、明智君、俺だってまだ咲子さんなんて、さん付けで呼んでいないのに、咲子さんって、それも俺より先に…

本当に本当に悪いけど、明智君、さっさと消えてくれないか…




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